ツツジ クオリアに魅せられて
私は桜、バラ、山野草など、野原を彩る花々が大好きですが、中でもツツジはその花色の多様性に於いて、もっとも心ひかれる花であります。ツツジといいましてもさまざまな種類がありますが、私がすきなのは野生のツツジでして、その中でもミツバツツジ、オンツツジあるいはこの両者の交雑種であります。これらのツツジは我が土佐の山野に昔から自生していますが、それぞれに個性があります。ミツバツツジは山野に溶け込むようにしっとりと、オンツツジはその名の通り、今まさに燃えさかっている炎のようにひときわ明るく自己主張しています。また同じ種類でも、それぞれ個性があり、花色や葉の形、大きさは微妙に異なります。中でも両者の交雑種は大きな変異を見せ、時々ハッと目を見張り立ちすくむような鮮やかな固体に出くわします。ミツバツツジの紫にオンツツジの赤が混じり、どちらの系統がより強いかによって、実にさまざまな色の変化を見せてくれます。またそれが集まり、さまざまな花色の変化の中で、全体として調和して見える時、その多様性に何ともいえない安らぎを覚えます。まさに、脳科学者茂木健一郎言うところの「クオリア」の世界です。「クオリア」とは質感という意味で、数値で表すことのできない微妙さのことだそうですが、絵画や音楽などの芸術の世界はもちろんのこと、ツツジの花の美しさもこのクオリア抜きではとうてい味わうことはできません。翻って教育の世界を鑑みましても、生徒一人一人それぞれ個性があり自己主張しています。彼らが、それぞれ大切にされ、クラスという全体の中で調和して、より大きな力を発揮できるようになることが私達の使命だと考えています。また、それは一色に染め上げるスパルタ教育とはもっとも隔たったものであり、多様性を重んじることであります。針葉樹林よりは、さまざまな木の茂る広葉樹林を目指してこれからも精進してまいります。
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