ドリーム教室でのできごと
最近、ドリーム教室でちょっとしたうれしい変化がありましたので書いてみます。それは、社会の授業のことでした。ドリーム教室では、週に1度、理科と社会の時間を1時間ずつ設けています。理科は実験、観察を中心に、社会は週1時間ですので私のまとめたプリントをテキストを読みながら、穴埋めや記述をしていくというものです。そして、翌週に確認テストを行っています。
もちろんこのテストは、他と競わすためのものではなく、順位などはいっさい発表しないようにしています。だから、初めの内は、ほとんどの者は半分ぐらいしかとれず、私もどうしようかと迷いましたが、それでも追試は行いませんでした。
それは、追試のためのにわか勉強になってしまうことと、罰による強制からはプラスになることはほとんど得られないと思ったからです。つまり、「学ぶことは辛いこと、しんどいこと」ということがすりこまれることを恐れたからです。
いろいろ考えている内に、中3の補講が忙しくなり、社会は妻と交代しました。
すると、どうでしょう。たちまち、全員が100点もしくは、それに近い点数をとるようになってしまったのです。このことには何か大切なヒントが隠されているように思い、妻や子供達にいろいろと尋ねてみました。妻がいうには、今やっている社会の意義をきちんと生徒に伝えたこと、テスト前の勉強をいっさい禁止したこと(私の場合は、1~2分は許していた)だけだそうです。生徒の話によるとやはり、テスト前の勉強の時間がなくなったことを言っていましたが、私の時も、よく勉強していた子が「みんな成長したがよ」と言ってくれたことは正直嬉しく思いました。
そこで、これらの話を総合して、私なりに次のように考えました。
恐らく、私よりは妻の方が子供達にとって、親しみが強く感じられるのではないでしょうか。やはり、母性の力は偉大です。だから、この強い絆をベースにして妻が心を込めて言ったことが、子供達のハートをとらえたのだと思います。
やはり、教師にとって一番大切なことは専門的な知識も、もちろんですが、子供達との信頼関係だと思います。それも、親近感というようなものが、特に小学生では大切ではないでしょうか。父性では、小学生の場合、母性にたちうちできないように思います。小学生を受けもっている男の先生は、大いにユーモアのセンスを磨く必要があるかもしれません。
このテストでは、子供達は、個人の点数よりは、みんなの合計点数を自然に目標にして行ったようです。そして、数日前から互いに質問をして答えあうという光景が見られるようになりました。
やはり、私は競争よりは協同によって子供達の意欲は高まるように思います。
互いに教えあったり、尋ねたりすることが気軽にできる雰囲気の中でこそ、子供達はのびのびと自分の力を伸ばしていけるのでしょう。そして、そういう雰囲気のクラスをつくることが私に課せられたもっとも大きな仕事だと思っています。
「学ぶことは、決して辛いこと、しんどいことではない。人間の中には、本来好奇心があり自分自身の成長と発達をめざす積極性が備わっている」
私の考えていることは全て、この点から出発しています。これをくずしてしまえば教育は成り立ちません。そして、それを達成していく道は、競争よりは協同の中に、互いに助けあい、励ましあって共に伸びるという社会性の中でこそ見出されるように思います。
なお、社会の授業内容につきましては、はなはだ理想とは遠くまだまだ研究が足りません。ただ、私の今の関心は、どのようにすれば、子供一人一人の意欲を育てられるのか、しばらくはここに集中していきたいと思っています。
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